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ママさんアスリート小島絢野のホンネ①

引退から2年たち、結婚・出産を経て現役復帰を果たした‘ママさんアスリート‘の小島絢野選手。日本では数少ないママさんアスリートの本音や日常について、迫ります!!!

まず初めにこの場をお借りして、私が復帰するにあたって支えてくださっている皆様に感謝申し上げます。

Q、結婚・出産を経て現役復帰を決めた小島絢野(旧姓:中大路)のホンネ

家族やチームのメンバー、酒井監督に何かの形で恩返しができればいいなという気持ちが今は1番大きいです。
新悟さんが就任2年目の‘これから’というときに引退したことを申し訳なく思っていたところがありました。
でもこのタイミングで必要としていただけて、一緒に戦っていたメンバーもたくさん残っているなかで、少しでもチームの役に立つことができれば嬉しいです。

Q、初めてオファーが来たときの気持ち

まさか選手として呼んで頂けるとは思っていなかったです。
とても嬉しいお話ではありましたが、子どももまだ小さいので、現実的に考えたときに乗り越えないといけない課題がたくさんあって、正直なところ「厳しいかな」と思っていました。

Q、引退前と復帰後の心と体の変化は?

引退前は小学校のころから全国優勝を目標に戦ってきて、バレー漬けの毎日を過ごしていました。
引退をして結婚・出産を経験し、バレー選手以外の仕事をしてみて新たな環境を肌で感じ、少しではありますが社会を知ることもできました。
2年間バレー界から離れていたことで、技術・体力は衰えています。
しかし、以前よりバレーを俯瞰して見ることができるようになり、それが心の余裕に繋がっていると思います。
それまでは、試合に出ることや結果を残すことに目がいきがちで熱くなりすぎて冷静さに欠けることもありました。
心に余裕があることで冷静にバレーと向き合うことができ、楽しむことができています。
今のチームには、小さい頃から人生の多くの時間をバレーボールにかけてきた選手ばかりなので、一度外に出た私にできる役割で貢献したいと思っています。
さらに、これまではチームを外からの目線で見ることがなかったので、チームやバレーボール競技がおかれている状況(世間的な認知や人気)を知ることもできました。

Q、実際にやってみて、ネガティブとポジティブの感情はどちらが大きいですか?

断然ポジティブな気持ちが大きいです!
1人の時のようには、自分の時間を作ることは難しいこともありますが、それ以上に幸せな時間を過ごすことができています。
家に帰れば、癒しがあるのでオンオフの切り替えがしっかりとできています。
それは家族やチームのサポートのおかげなので、とても感謝しています。

Q、これから家庭を持ちつつ、アスリートを続けたい選手への的確な支援とは?

私の場合、まだまだ子どもが小さく母乳を飲んでいる時期なので子どもを見てくれる人の支えが必要でした。
特に自分のことよりも子どもを最優先に考える時期なので…。
家庭を持ってアスリートを続けるには、家族の理解が必要です。
さまざまな考え方があるなかで、その家族に合った選択ができるという大切だと思います。
チームや会社の理解も必要で、現に働くお父さんお母さんのサポートとして会社内に託児所があったり、働きながらでも子育てができる環境も少しづつ増えてきていると思います。
そういったものがスポーツ選手を取り巻く環境中でもできてくれば、続けられる選手も増えてくるのではないかなと思います。

Q、「これ困ったぁ!」を教えてください

たくさんサポートしてもらっているので、「困っている」ということはないですが、家に帰って子どもがその日にできるようになったことを聞くと、嬉しい反面少し寂しいです。
これまでは自分が1番近くで見てきて、家族に伝える立場だったのが今は聞く立場になっているので寂しい気持ちになることがあります。
反対に一緒にいられる時間が限られたことで、一瞬一瞬が貴重で会ったときの子どもの表情も格別にいいので、その瞬間はとても嬉しいです。
一緒にいられることが当たり前ではないことを改めて感じています。

Q、母親とアスリートの二面性ってどう?

体育館にいるときは、みんなと同じ選手の1人です。
年下の選手とは特に、これまで以上にたくさん話をしたりして距離を縮めていきたいなと思います。
セッターというポジションでもあるので、話しやすい
体育館で選手でいる分、体育館を出たら思い切り母をしたいなと思っています。